にさんぎょう感想文

日々見たものについて短い感想文など

ボヘミアンラプソディ

あらすじ

「伝説のチャンピオン」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった数々の名曲で知られるロックバンド、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記ドラマ。華々しい軌跡の裏の知られざる真実を映す。 

 

とにかく流行ってるから一度は見に行かなきゃと思い、立川の極音上映で観てきた。

この映画は最初にいうと、とにかく最後のライブエイドのシーンが一番いい。それを見るためだけに、IMAXシアターか爆音上映や極音上映など、音にこだわった映画館で見るのが一番いいと思う。

 

お話はクイーンというバンドがどのようにできて、どのように衝突があり、フレディ・マーキュリーがどんだけ天狗になっていて、病的であって、更生して、最後は再結成という起承転結がものすごくちゃんとしている。

クイーンを知らない自分にとっては、結局「ボヘミアンラプソディ」という曲がいまいち売れなかったというシーンも、意外と短くて、タイトルになっているのにあんまりだ、と思ったりもした。

クイーンを知るために見るにはとても浅い作りなんだと思う。しかし、とにかくライブエイドのシーンはすごく良かった。やっぱりライブって素晴らしいんだよなって。

誰が観ても大団円で終わることは明確で、複数のエンディングが考えられるようなタイプの映画じゃないから、とにかく娯楽としての映画、そういう意味ではとても素晴らしいと思った。

大きな画面で見ないならあまり意味がない。

 

シング・ストリートに出ていたルーシー・ボイントン。可愛くて好きだったけど、ボヘミアンラプソディで有名になって嬉しい。

 

shortshort.hatenablog.jp

 

★★★☆☆ 普通に面白い

 

怒り

あらすじ

八王子郊外で若い夫婦が自宅で惨殺され、犯人は逃走した。1年後、房総、東京、沖縄に身元不明の3人の男がそれぞれ現れ、訝られながらも次第に周囲に受け入れられ、それなりの人間関係が作られていく。ある日、警察が八王子事件の犯人の整形手術後のモンタージュ写真をテレビ番組で公表したのをきっかけに、それぞれの人間関係に揺らぎが生まれはじめる。 

 

とにかく出ている俳優・女優陣がものすごい演技を見えている。

ここまでくると現場がどういう感じだったのかも知りたくなってしまうくらい。

 

宮崎あおいのバカな女の子の感じとか。

彼女のほんとはそんなに知性的ではない部分を引き出した配役の素晴らしさだと思うし。

見ている方がトラウマになる広瀬すずが暴行されるシーンは、かわいいや綺麗だけで今後は進まないという覚悟が感じられた。

沖縄編の新人 佐久本宝の沖縄出身だからというバックグラウンドがあったとしても、あの空気感は新人であの時だったから出せたんだと思うし。

とにかく奇跡の配役だったと思う。(もちろん他の人たちも)

 

物語は殺人事件の犯人は誰なんだっていうところに行きつくための、それぞれの土地のそれぞれの物語なんだが、誰かが犯人なんだとわかっているだけに、「もしかしてこの人が犯人かもしれない」という怖さが常に付きまとう。今とても平和なのに、これを壊されたくない、という感情移入したからこその怖さ。

結局誰が犯人でも物語は良かった気がする。犯人かもしれないと思い始めると、その人を取り巻くいろんな人たちが変わっていき、その影が少しずつ忍び寄る様を見ることができる。

最終的に犯人がわかるけど、結論はどうでも良かった。最初のきっかけになった若い夫婦の殺人に関しては、動機のようなものは語られるものの、それはとても個人的な状況から引き起こされただけであり、理解をするのは難しい。ただそんなことがひょんなことから起きてしまうということがわかるだけだ。

 

とにかく3つの場所でそれぞれの物語がとても濃く、最初から最後までいい意味で気が抜けない映画だった。

 

★★★★☆ 友達に勧めたい(ただし暴行シーンが強烈なため注意)

 

アマゾンプライムでも観れる

 

永い言い訳

あらすじ

作家の衣笠幸夫は、妻の夏子が友人とともに旅行に出かけるのを見送ったその日に、彼女が事故死したことを知らされる。もっとも、彼女のいぬ間に不倫行為に没入していた幸夫にとっては、さして悲しい出来事ではないのが実情だった。それでもマスコミの手前悲劇のキャラクターを演じていた彼のもとに、夏子の友人の夫、陽一が電話を寄越してくる。 

 

結婚とは夫婦とは、一体なんなんだろうといつも思っているが、

これを見て余計にそう思ったし、結局答えがないというか、人間同士のことだからというところに辿り着いたまま、行き場をなくしている。

 

 

バスで奥さんが死んで、一緒のバスで亡くなった奥さんの親友の旦那さんと絡んで、そこにいる子供たちと初めて絡んでから、

自分は結婚して子供がいなかったけど、子供と過ごすのが好きになると、許されているような気持ちになるところとか、

それでも本当の親には勝てるわけではないところとか、心がとても痛かった。

 

設定自体はありそうで、なかなかないだろ、という感じなのに、こんなに自然に受け入れられる物語を作るなんて相当すごい。

作られた悲しいシーンが一つもなくて、それでも普通に辛さがわかって泣いた。

 

★★★★☆ 見たことを友達に話したい

 

アマゾンプライムで観れる

 

帰ってきたヒトラー

あらすじ

2014年のベルリンに蘇ったヒトラーは、疲労で倒れ込んだところをキオスクの主人に助けられ、そのままキオスクに居候することになった。同じ頃、テレビ会社「My TV」をクビになったザヴァツキは、撮影した映像にヒトラーそっくりの男が映り込んでいるのを発見し、テレビ会社に復職するための自主動画を撮影するためヒトラーと共にドイツ中を旅する。 

 

この映画はやばい。絶対見たほうがいい。

戦争は群衆を煽ってその気にさせた人がリーダーとなり、それが正当化されてしまうということが本当によくわかる。

最初はヒトラーがタイムスリップしてくるというつまらなさそうな設定からスタートするから、ふざけていると思って見始める。

でもドイツの政治やヒトラーそのものの言動を研究して作ったのがよくわかるセリフに、いつの間にか実はヒトラーがまともなやつだったんじゃないかとすら思い始めてしまう。

そして気づく。おかしいということに。

今いろんな国が、もちろん日本ももうこういう状態なんだろうなと思う。

群衆は一部はちゃんと考え行動できるけど、ほとんどの人は頭が良いわけでもなく流されやすい。

それを逆手にとったほうが勝つんだと思った。

改めていろんなところから、いろんな角度から情報を得なくてはいけないなと思った。

 

そして怖いのは、ドイツであんなに禁止されているヒトラーが、ゲリラ撮影で人が集まるところに出現した時、人々はセルフィーを取ってアップしていたということ。半分以上の人が好意的に受け止めていた。

もちろんそれが本物ではないからであろう。でもなんでこの格好をしているのかもわからないまま、ヒトラーの格好の人が出てきているのに、好意的なんだ。

風化するというのはこういうことであろう。

 

映画としてはエンディングは好きじゃない。少し安っぽすぎると思う。

 

とにかく一度見るべき。

 

★★★★☆ 友達に勧めたい

 

 アマゾンプライムで観れる

ウォールフラワー

あらすじ

1991年、チャーリーは春に友人のマイケルが自殺したことに強く動揺し、孤独と不安を抱えながら高校に進学する。学校が好きになれなかったチャーリーだが、授業の工作クラスで「ナッシング」と呼ばれる変わった面白い上級生、パトリックと出会う。その後学校のフットボールの試合を一人で観戦しに行くと、パトリックがサムという義理の妹と一緒にいるのを見つけ、2人と知り合う。チャーリーはサムに心惹かれる。 

 

アメリカの高校生活が日本と違いすぎるから、普段からドラマなどで高校生活がなんとなくわかっているほうが良い。

目立たない子だけど、すごくいい子は中心には来れないけど、壁を飾っている花だという意味合いでのウォールフラワー。その考え方がとてもいいなと思った。

 

青春映画だから、なんとなく流しみして楽しめる。物語自体はあまり深さはないので面白いかと言われると普通。

 

★★★☆☆ 暇つぶしにどうぞ

 

 アマゾンプライムで観れる

シング・ストリート 未来へのうた

あらすじ

サエない日々を送っていた少年がバンドを組み、ストリートや海辺でミュージック・ビデオのゲリラ撮影を重ねるうちに 、年上の女性との切ない恋と、それぞれが家庭に問題を抱えたメンバーたちとの胸を打つ友情が加速していく。 

 

1980年代のアイルランドの話。

鬱屈した毎日。学校の近くで見かけた可愛い女の子に声をかけて、ハッタリでバンドを組んでるからビデオ撮影に参加してくれと言ったら、OKされて、それを本当にしなくちゃいけなくなったっていう、高校生あるあるな感じの始まりでとても好感度高い。

 

主演の子や、バンドのメンバーはほぼ素人で、それがまた高校生そのものって感じでよかった。

アイルランドの寂れた感じとか、不況で家族がバラバラになりながらも、兄弟の絆が少しずつできていく感じ、高校生だからできないこともたくさんあるけど、少しずつ大人になってく感じ、とてもよかった。

 

最後の逃亡の船のシーンだけ、超合成って感じだったから、そこはどうにかして欲しかった・・・それがなければとても良い青春映画だと思う。

 

★★★☆☆ 普通に面白い

 

 アマゾンプライムで観れる

湯を沸かすほどの熱い愛

まずあらすじ

夫の一浩とともに銭湯を営んでいた双葉は、夫の失踪とともにそれを休み、パン屋店員のバイトで娘の安澄を支えていた。ある日職場で倒れた彼女が病院で検査を受けると、伝えられたのは末期ガンとの診断であった。2~3カ月の余命しか自分に残されてはいないと知り落ち込む双葉だったが、すぐに残されたやるべき仕事の多さを悟り立ち上がる 

 

やっぱり宮沢りえの美しさに感動する。

杉咲花もとても可愛い。けど16歳であんないじめられかたないよねって思う。

人として本当に「いい人」だっていう感じの宮沢りえの役はいいけど、結局その遺伝子は関わっていれば遺伝するんだよっていう、血のつながりの関係なさみたいなテーマはいいんだけど、あまりに設定はめちゃくちゃというか。

ありえなさ過ぎて逆にうーん、と思ってしまう部分もあり。

 

とはいえ映画だから、死を受け入れる役というのはとても難しそうで、それに向き合った結果作品としては、設定云々より、よかったなと思うものだった。

 

★★★☆☆ 普通に面白い

 

アマゾンプライムで観れる